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ネコティアスの時事コラム

2012年2月29日

ネコティアス
憲法改正論議に見る日本の遵法精神の欠如

 

 我が国において憲法とは一体何であろうか?
  少なくとも刑法などの一般法律よりも下位に位置づけられることは間違いないようだ。
 その証拠に民主主義国家において最も基本的権利である「選挙における投票権」が憲法のもとでも犯されている事はほぼ全国民が意識しているにもかかわらず、それを是正しようとしない政治家と官僚、そしてそれに頬かむりするマスメディアに対して、国民の怒りは無きに等しい。
 日本においては陳腐な罪で逮捕される事は会っても大罪で逮捕される事は少ないのは憲法の権威がないことをよく示している。 

 そのような国民の事なかれ姿勢に意を強くしたうぞうむぞうの権力主義者どもが、大っぴらに改憲を唱え始めた。
 そしてそのほとんどの改正案が己たちの都合のよいと信じる条項だけのツギハギ箇条書き文であるからして、日本は法治国家としての地位を捨てたと言っても過言ではない。
 そのような輩が改憲を考えるときに一時の思い付きで条文を作成していない事を信じることは極めて困難である。

 そもそも憲法にもとづいて制定されている議会議員や自治体首長や役人がその職にありながら改憲を唱えるなど自己矛盾であり、基本的にはその職を辞することになるはずである。
 国民が憲法の規定に基づき権力と権限をそれらの者どもに与えているのであるから、その根本理念に疑念を差し挟むのであれば、まずは公職を辞しその後に個人の意見として正々堂々と改憲論を唱え、その上で公職に改めて就く事が筋道である。
 そもそも公職に就くものが憲法を守ることを宣誓しないことだけでも、法律軽視の風潮ははなはだしい。

 憲法記念日を休日にし連休を遊びで過ごす、憲法記念日に憲法全文を読むべきであるなどと言おうものなら変人扱いするようなことをほとんどの国民がよしとする国など空恐ろしい。
 そのくせに国歌斉唱と国旗掲揚をしないものを罰することへの批判の少なさは何を意味するのか。
 その答えは「理念の空虚な全体主義国家」以外の何ものでもない。

 長く生きながらえた挙句、今更のように日本国憲法は戦勝国の米国に押しつけられたものであるから守る必要はないと言うその口で、米国の核兵器の傘の下で生きる道が正しいと宣い、君が代を斉唱するのが正しい国民の務め、その実未来ある若者の事など意に介さず、老人の単なる安楽な延命のみに税金を使おうとする老人のなんと多いことか。
 老人は目も耳も悪くなり、世界に恥をさらす日本を感じることすらできないのである。

 改憲論を悪と言うべきではない、しかしそれを述べるためには公職をまず辞することから始めなくてはならない。
 ましてや違憲状態の選挙で国会議員となった連中が、立法府の立場も忘れ行政府の長に形ばかり奉られ役人のまねごとに精力を使い果たし、馬鹿な議員が簡単に改憲できない為の三分の二条項をも改正しようとほざくとは、憲法の理念に照らせば打ち首にも値すると言ってはいいすぎであろうか。

 ここまで来てもまだ単にニュースを垂れ流すマスメディアのなんと罪み深い事であろうか。
 そして軽薄なテレビ番組を流し見る事に疑問を持たない国民にはまたしても近い将来に惨禍が襲うことになろう。
 核兵器に2度被爆しても史上最悪の原発事故による被曝をしても、他人からの指導と施しを求める事だけでよしとする国民に次に降りかかる惨禍は何であろうか。

 ドイツにおいてヒトラーは怒れる若者の中にその復活の目があるのかもしれないが、日本においては不作為の老人の中から復活するのであろうか。

 

以 上
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