どこもかしこも時限爆弾がカチカチ鳴ってきました。
またまた大数の法則が成り立たない場面で、どこか一つが逝くと連鎖反応が起こるわけです。
臨界を待っていただけのFUKUSHIMAとまったく同じですでに制御不能になった(最初から制御不能な)原子炉にむなしく水をかけながら恐ろしいことが起こるのを待っているわけです。
「最初から制御不能という意味では長期債務も原子炉も物事が好転すればいつかなんとかなるだろうという事ぐらいしか裏付けがないのですから、正体は同じものです」
ですからどちらも最後は制御不能になるのが宿命のようです。
政治家や官僚が自分が生きている間には起こらないでほしいと願うところも同じですね。
違うところは原子炉のほうは主に市民が被害をかぶるのですが、国家債務の方は主に支配階級と金持ちが被害をかぶるというところでしょう。
そうすると政府は原発よりも国家債務の方に必死になるのは当然の事ですね。
地道にやっていればこんな事も起こらないのですが、
[1] | 誰かが新しい技術を見つけたと大騒ぎし、 |
[2] | それに乗っかってひと儲けしようとする輩が権力の中枢に存在し、 |
[3] | 将来の未確定不安要素は楽観論でごまかし、 |
[4] | 始めてみたら経済の発展や技術の発展が飛躍的に伸びたように思い、 |
[5] | 最後は行け行けどんどんで、 |
[6] | 齟齬が出始めたら、最も正しい「根本に戻る」ということ以外の知識を全て使って取り繕う、 |
という経過をたどるようです。
事が大がかりになるほどこの道を辿るようで、最後はカチカチ鳴りだすのです。
カチカチの始末に悪いのは、聞いているうちにそれさえ永遠に続くように思われてしまう事です。
「そろそろ真剣に取り組まなくてはいけない」と言い続けていていいような錯覚に陥れるという事です。
国家債務の問題は社会のピラミッドのなかで中間層が貧困層に変化した時に(貧困層の比率が高まった時に)デフォルトが起これば多数の幸せになるわけですが、自分が中間層だと思う人間がまだまだ多くいる社会では、デフォルトしにくいでしょう。
そういう意味で世界中でダラダラと没落する方向にあると言えます。
しかしこれは臨界すると連鎖反応を起こしますから、ここまで来ると最も良い政策は諸国に先だってデフォルトすることです。
特にそれが当てはまるのは海外依存が少ない無い日本ということになります。
海外依存が少ないからデフォルトしにくいと考えると最後にデフォルトすることになり諸国に先んじて立ち直ることができず、悪くすれば一人負けになります。
一から始めれば10年後には世界有数の(質も含めて)随一の経済大国になれるのです。
ましてや日本は一度これを経験済みですから。
これは早い者勝ちに決まってます。 ギリシャの市民もそれを感じているからこそ、金持ちの為にしかならない財政緊縮策など行う気が無く、デフォルトをさせたいのではないでしょうか。
デフォルトさえしてしまえば働く気がある市民は幸せになる可能性が出てくると考えているのではないでしょうか。
資産がプラスの富裕層や銀行は困るのですが、借金も年金も健康保険も皆チャラになるので貧乏人は万々歳です。
戦後の焼け野原を改めて作るだけですから実害はあってもカチカチを長引かすだけよりもこちらの方がよりよい策です。
過去を清算して一から始めるのは日本人の最も得意とするところです。
伝統文化も建築物も全て簡単に捨ててきた民族ですから。
老人を生きながらえさせて若者を殺すよりも、その反対がいいのに決まってます。
もし日本だけがやるのであれば世界の中で損をしますが世界的にそれが起こるのであれば早くやったものの勝ちですね。
社会をこのようにしてしまった責任を取るにはそろそろ頃合いです。
結局のところ世界中で起こりつつある市民と政府の対決は最後は市民が勝つはずです。
焼け跡から再生するのは何時の時代も市民です。
イタリアやギリシャのテクノクラート内閣などはこれまでの政治家がひどすぎたからの帰結と言えばそれまでですが、ほんとは影に隠れて支配していた官僚が表に出ざるを得ないほど世の中が壊れてきている証拠です。
日本も財務官僚を筆頭に官僚が表に出だしました。 リセット近しです。
どこの国でも官僚は裕福な中間層より上の層ですからほんとの状況が理解できないのです。
この世界が前の世界より少しだけましになったと思えるのは物理的に戦争をしなくともコンピュータ・プログラムを破壊したり、金融システムを破壊するだけで戦争と同様の効果があるということかもしれません。 それにしても人的被害は伴うでしょうが、物理的な戦争よりは上品かもしれません。
これを戦争だと思えば日本は結構有利なポジションにいるのです。
しかしいつものことながらナイーブな日本人はそのことを理解していないのでしょう。
このまま欧州が回復し、米国も回復し、中国も順調でロシアもうまく行ったとすると日本にとっていいことなど何もありません。 要は一人負けになるだけです。
反対にこれから徐々に終わりが来るとすればやはり日本にもいいことはありません。
「欧州や米国に比較して円の底力が信頼されている」などと能天気に言っている間もカチカチ鳴っています。 今の時代を官僚に任せることほど悪い選択はありません。
現役世代と老人のバランスとか、社会保障のための消費税率上げとか議論している間もカチカチです。
今こそ真の政治家が必要なのですが、悲しいことに現実はそうではありません。
首相が外国旅行している間にも、党利党略にかまけている間も、官僚に政治を任せている間にもカチカチです。
もしカチカチを止めることができるとしたら次の事を即座に行うしかありません。
(1) | 官僚の身分保障を取り払い優秀な人材が政府に入り、自由な議論と行動を促進する。 |
(2) | 多くの規制を取りはらい民間の自由参入を即す。 その際に既成の大企業にメリットを与えるよな政策は一切排除する。 |
(3) | 憲法を国民と支配者の間の義務と権利を明確にしたものに変更し、法治国家に再編成する。 |
日本はアジアの盟主として生まれ変わる事でしょう。
ただ残念ながらほとんどの日本人はそれを望まないでしょう。
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