大学生の大麻使用に関する意識調査なるものに関する以下の記事を読むと現代市民社会が抱える精神の崩壊が見て取れる。
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大麻使用「個人の自由」微増 関関同立新入生調査 (47NEWS、2011/11/10 07:59 【京都新聞】)
関関同立の私立4大学は9日、今春入学した新入生を対象に実施した「薬物に関する意識調査」の集計結果を発表した。
大麻の使用を「個人の自由」と答える学生の割合が昨年より微増し、学生の順法意識の軽薄化を示す結果となっている。
全国の大学で学生の薬物乱用が相次いだことを受け、同志社大、立命館大、関西学院大、関西大が実態把握のために2009年から合同で実施している。
今年は、4大学の新入生の8割近い約2万人から回答を得た。
大麻使用については「他人に迷惑をかけないのであれば、使うかどうかは個人の自由」が6・4%で昨年より0・8ポイント増えた。
友人の大麻使用を見た場合に「個人の自由なので放っておく」も9・8%で0・5ポイント増となった。
また周囲に大麻を所持・使用している(いた)人がいるかとの問いに、「いる(いた)」と答えたのは3・5%で、30人に1人の割合を上回った。
4大学は、セミナーの開催や冊子の配布などを通じて薬物乱用防止を学生に訴える取り組みを続けている。
今回の結果について、同志社大学生支援課は「社会のルールを守る意識は、社会人を前にした大学生活の中で自然に養われると考えるが、大学としてもルールの大切さを伝える教育をさらに強化したい」としている。
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これを読んでまず考えるべきは、学生の自己中心的な発想や順法精神のなさではない。
子供たちがそのような考えに至るまでの社会(親も社会の一員である)の堕落を示すものと認識すべきである。
大手企業経営者や官僚や政治家の堕落に関する情報がこれでもかというほど日常的に飛び交っているにもかかわらず、それら人間が言い逃れをできる社会風土に幻滅し、未来への希望が持てずに育ってきた世代のなかで、大麻に逃避する一部の人間に少しのシンパシーを感じる学生がいても驚くにはあたらない。
しかしたとえ自身が腐敗の中に身を置いているとしても、これからの未来を背負っていく若者に対して正しい道も教えられない大人たちの大罪は何を持って償われるべきであろうか?
これら大学の教授会には思考能力はないのか!
この記事は大学側が大麻を自由だと考えているそして何よりもそれを堂々と回答するような学生を入学させているという事実を示している。
なぜ入学を決定する前に面接を行いそのことについての質問をしないのか。
少なくとも堂々と個人の自由だなどという学生の入学は止められるし、そのよなことを言う事で社会的に批判されるという認識は持つであろう。
次に、「セミナーの開催や冊子の配布などを通じて薬物乱用防止を学生に訴える」とは何たる手ぬるい対応であろうか。
犯罪行為があれば警察が介入するとだけ言えば済む事であろう。
これらの大学ではないが同じ関西の国立大学は自身の私見管理体制の不備への反省もなく、カンニングをした学生を即座に警察に逮捕させたではないか?
自らの属する組織(大学)への挑戦と受け取ったカンニングを厳罰に処し、組織とは関係のない大麻使用は個人の問題であるとの詭弁を弄して学生に訴えるとは、組織防衛の身を考える官僚組織と何ら変わりはない。
それとも教授などの内部から腐敗しているために警察に介入してほしくないと勘繰られる事もじさない程に本当に内部腐敗しているのか?
そもそもこの4大学は何をする場所であろうか?
「大学としてもルールの大切さを伝える教育をさらに強化したい」などと小学校教育を徹底する場所なのであろうか。
そしてこのような記事を無批判に書くメディアも恥を知るべきであろう。
なお、これはあくまで上記の記事のみを読んでの考察である。
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