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ネコティアスの時事コラム

2011年02月24日

ネコティアス
プロ野球の勝率計算についての提案

 

 まず以下の表をご覧ください。
 2010年度のセ・リーグとパ・リーグの最終順位です。

セ・リーグ順位 勝率
1位 中日 79 62 0.560
2位 阪神 78 63 0.553
3位 巨人 79 64 0.552
4位 ヤクルト 72 68  
5位 広島 58 84  
6位 横浜 48 95  

パ・リーグ順位 勝率
1位 ソフトバンク 76 63 0.546
2位 西武 78 65 0.545
3位 ロッテ 75 67 0.528
4位 日本ハム 74 67  
5位 オリックス 69 71  
6位 楽天 62 79  

 日本のプロ野球においては「引き分け制度」があるために、勝ち星の多いチーム=最高勝率のチーム、とはならないケースが起こります。  2010年度も表のように順位が決まりました。 しかしここで疑問があります。  現在の勝率計算は、勝利数÷(勝利数+敗戦数)、で算出されていますので引き分けは考慮されていません。  その場合に何がまずいかというと以下を見てください。

 例)1シーズンの試合数合計が144試合とした場合、
[1] 1勝0敗143引分の「Aチーム」の現行方式の
   勝率は1.000となり、
[2] 73勝71敗0引分の「Bチーム」の現行方式の
   勝率は0.506となり

 「Aチーム」の圧倒的な勝率差での優勝となります。  引分を考慮に入れないとこのような事が起こります。  これを回避するため(より公正な結果を導くため)にどのようにすれば良いでしょうか。

 一つの考え方は次のようなものです。  引分というのはMLBのように延々と試合を続けて行けば最終的には必ず勝利か敗戦に分かれることになります。  そうすると引分というのは勝利と敗戦のどちらにもカウントすることにすればいいのではないでしょうか。  つまり上記[1]の「Aチーム」の場合は、(1勝+143勝)÷[(1勝+143勝)+(0勝+143勝)]=144勝÷287試合=0.501、という計算で勝率0.501となります。  そうすると「Bチーム」が僅差で優勝という事になります。  どうでしょう? こちらの計算の方がより現実に近いと思いませんか。

 試しにこの計算方式で2010年度のプロ野球の結果を計算してみると以下のようになります。

セ・リーグ順位 勝率
1位 中日 79 62 0.557
2位(3位) 巨人 79 64 0.5517
3位(2位) 阪神 78 63 0.5510
4位 ヤクルト 72 68  
5位 広島 58 84  
6位 横浜 48 95  

パ・リーグ順位 勝率
1位(2位) 西武 78 65 0.552
2位(1位) ソフトバンク 76 63 0.543
3位 ロッテ 75 67 0.527
4位 日本ハム 74 67  
5位 オリックス 69 71  
6位 楽天 62 79  

 なんと、セ・リーグでは2位の阪神が3位になり3位の巨人が2位になります!
 そしてパ・リーグでは優勝チームが入れ替わってしまいます!!
 つまり現行方式では何れの場合も引分が多いチームが得をしているともいえます。  引分を計算に入れないと言っているにもかかわらず実際には引分は価値に近い意味を持っています。  (これはおかしいですね) 引分が勝ちにも負けにもなりえる事を理解すれば現行方式は改善の余地があると言えます。  そしてご覧頂ければ判る通り筆者の提案する計算方式では勝ち数の多いチームが上位に来ておりファンの思いにもより近いと言えます。

 このような計算方式をこれまで長きにわたって見直されずに疑問が持たれなかった事こそ、 「一度何かの拍子で決まったことを見直すことに理由のない罪悪感を持つ日本人の体質」かもしれませんね。

 

以 上
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