以下の事はこれまでの日本の姿として正しいであろうか?
- 日本は輸出産業で成長してきた。
- 大企業が雇用を生み、ひいては市民生活が向上してきた。
- 大企業の法人税収が大きな財源であった。
- 大企業経営者が国益も同時に考えていた。
◎ 答えはYesである。
それでは以下の事は現在の日本の姿として正確であろうか?
- 日本は輸出産業で成長していける。
- 大企業が潤えば雇用を生み、ひいては市民生活が向上する。
- 大企業の法人税収が大きな財源であり続ける。
- 大企業経営者が国益も同時に考えている。
× 答えは残念ながらNoである。
その理由は以下のとおりである。
- 輸出産業である大企業はすでにその生産拠点を海外においており、製品も直接海外に販売している為日本の経済への寄与度は減少の一途をたどっている。
(実際には円高による大企業業績への負の影響はほとんどないことは3/2011の企業業績が1ドル80円の円高の中で増益となっている事がそのまぎれもない証拠である)
- 大企業は潤っていても利益を給与にまわさないため、日本国民の所得は低下している。
雇用は海外と日本に帰属しない外国人に対してのみ増加しており、日本国民の雇用は失われている。
(ユニクロは2012年より新卒採用の8割を外国人とすると発表しているし、ソニーは3割を外国人にするとの事である)(経済団体のトップは「多少業績が好転しても競争力の維持のため給与を上げないで内部留保する」と宣言するのであるからこれら企業は日本企業ではないのであろう)
- この中で完了と政治家はなんと法人税を下げるのであるか税収はより一層低下する。
(税収を下げて海外からの投資を促進したいのだそうだが、日本の大企業が海外シフトし海外の大企業に日本で搾取することを手助けするとすれば日本国民は浮かばれまい。)
- 大企業の一部社員以外の日本国民が貧困に陥り、雇用機会も失われていく中で、単に企業の利益追求のためだけに安易に海外進出(=外国の経済に寄与する)する経営者に国益の視点はない。
(日本の学生の水準が低いから外人に頼るというのであればなぜ日本人学生の水準を上げる施策を施さないのであろうか。)
以上の理由より、官僚と政治家は直ちに大企業優遇政策を停止し、真に日本国民に寄与する政策を施さなくてはならないはずである。
しかしながら大企業の業績向上が国民生活に寄与すると単純に信じ込まされているマスメディアと国民が多数を占める我が国ではそれが起こる可能性は低い。
国家や大企業の利益と市民の利益は必ずしも一致しないという事実を認識できない日本国民は、大企業の雇用が海外と在日外国人に奪われていても、大企業の業績向上という事実にただ拍手するのみである。
今世界市民はその事に気付き始めている。
前回のコラムでこれからの世界は「市民と国家の対立時代を迎えた」と述べたが、「大企業=国家の一部」と市民の利害の相反と対立である。
日本の市民はこの流れにも取り残される事になりそうだ。
なぜならば日本以外の国においては市民は自身が国家側に与することによって利益を得ているのか、あるいは国家と対立する市民であるかを理解できているが、日本人は将来に希望を見いだせない無気力な若者を除けばほとんどが自身を国家側の市民という誤解の中で生きているからである。
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