CMDコンサルタント  金融業界専門キャリアサポート ENGLISH PAGE
HOME 求人情報 登録(エントリーフォーム) 求人インデックス(CMD求人指数) コラム(ネコティアス氏) セミナー(土曜午後の会) 人材最新情報(リンク集) 会社概要


ネコティアスの時事コラム

2010年09月27日

ネコティアス
覚悟がない国と国民は消える−その名は日本(人)
■ 中国の漁船を果敢にも拿捕し船長を逮捕した海上保安庁に対して沖縄地方検察局の検事が決定した事 (あくまで政府ではなく検察が決定したと言っているのであるからそういう事で責任を取るということである) は 「法治国家であるから粛々と法に照らして処理すると言いはり見栄を張ってましたが、やはりなんとなくまずい雰囲気になったので船長を釈放します。 なぜならば日本と日本人にとってその方がいいからです。」 という事であったようだ。その上に  「我々は法律の執行以上に日本を支えている組織であるから日本人のためにいいことをやってあげました。」  「日本人4人が仕返しのスパイ容疑で逮捕され、日本政府が面会を求めても断り続けられていますが、我々は中国政府の依頼があれば毎日面会させ船長が入れ知恵されるのも見て見ぬふりをしました。なんせ中国人を怒らせたら怖いですから。」 「我々の威勢がいいのは自分の手を汚さず他人に命令できるときだけですから」 ということで 「海上保安庁の皆さんはこれから中国がもっともっと悪辣になっても逮捕なんかしないでください。 我々は困ってしまいますので」 などという事はもちろん言っていません。
 
■ 首相および外務大臣はアメリカにおいて中国とは喧嘩しないでねと大統領に頼まれ、船長を釈放すれば事は収まるようにアメリカが中国と話をしてくれているものと勝手に信じ込み、検察にそのようなお伺いを立てて釈放してみたが、中国はかえって尖閣諸島が中国領土であると日本は認めたのであるから今回の無謀な行為に対して賠償を要求した。  日本政府は(そんなものはまぼろしかもしれないが)あわてて「信じられない、どうしよう」とおろおろするばかり。  そもそも米国に中国と対峙する気持ちなどさらさらなく、もめたくないから泣き寝入りしてほしかっただけ、これで日米安保条約など絵に描いた餅であることが明白となった。  いったん事が起これば沖縄米軍は軍人の家族を基地に呼び寄せさっさと本国に逃げ帰るであろう。(ベトナム撤退の映像を思い出してほしい)  何が悲しくて日本を守るためにアメリカ人の血を流さなくてはいけないのかと言いながら。  ましてや相手は新たな太平洋同盟のパートナーの中国であれば何をかいわんやである。  国内を見てみれば検察が前田検事逮捕での劣勢をここぞとばかりに取り返すべく「日本の為にやってやった」とまで言わせてしまう「政府」では物事を真剣にやろうとする数少ないまじめな組織をまたもや後ろから刺してしまった。  哀れ海上保安庁の職員はこれからは東シナ海(何でこんな呼び方をするのか?  今後は西日本海と呼ぶべきであろう)において中国の不法操業漁船と潜水艦の中で日本政府も米国政府も助けない孤立無援の船団と化す。  日本の魚民はとっくに操業をあきらめてしまった。  士気はさぞ高いであろう。  今回の釈放を手放しで地域の安定に良い事であると言ったのは日本以外では米国政府のみである。  なんと言う卑劣なくわせものであろうか、ラーム・エマニュエル主席補佐官以下多くのスタッフにたったの2年で愛想を尽かされるのは無理もないことである。  この大統領は選挙期間中に自分自身で「チェンジ」と言った意味も今となっては覚えていないのであろうから、なぜ支持率がどんどん下がるのか理解もできないのである。  オバマの実態をまじかで見てしまったペイリンがこれなら私も大統領になれると考えているのも当然のことである。  それはそうと仮想敵国の駐在大使に任命した民間の中国大使はどんな働きをしたのか、赴任の際には仲良くすると大見えを切っていたようであるが…この赴任先はアマがプロのかわりをすることが覚束ない場所である。  この人に中国大使が務まるということであれば外務省など即刻全面解体できるはずである。

 
■ 大手メディアの報道はどうだ、見事に事実(真実ではない)を垂れ流すだけである、彼らにとっては役人と政治家に子供でもできる質問をして返ってきた答えを聞く事が取材であるらしい。  最も物を考えないくせに偉いと勘違いして、ここに手を突っ込むと自分が臭さに汚染されつまはじきにされるがゆえに誰も手出しができないゴミの山のような連中である。  日本人と日本政府はどうすべきかなどと自身の信念に基づいた意見を述べたメディアはどこもない。  日本政府は怖くなくても中国政府は怖いらしい。  確か中国は人民の抗日感情をガス抜きするためにあえて厳しい注文を付けているふりをしているなどといい加減な事を書いていたところもあったようだが、なんと言う無責任感覚であろうか。
 
■ 大企業はどうであったのか、円高打撃の上に中国需要が消えてしまっては日本経済が立ちいかなくなると泣きつき、早く収めてほしいと言うばかり。  立ちかなくなるのは日本経済ではなく彼らの会社だけである、海外で雇用をして日本国内で採用もしない組織が何をかいわんやである。  しかし大企業のおかげで貧乏になっている事を知らない庶民は一緒になって大企業と同じことを合唱するのであるから救いはない。  取引所理事長は「喧嘩したって始まらない、ここは穏便に」と賜ったが日本の領土を中国に進呈するのが穏便な方法であるのか。 この人はすでに中国人が日本の新しいご主人さまであることに違和感がないらしい。
 
■今回の事件で明白になった事。
  1. 民主党政権に国民の命と財産を守る能力も意思もないこと。
  2. 官僚組織もいざという時の準備は全くできていないこと。
  3. 中国は海軍国家となって南下政策を最重要政策としている。 台湾を手に入れた後は朝鮮半島を手に入れその後は日本を支配下に入れれば太平洋は米国と半分ずつ支配できることになる。 そうなった後は南アジアを手中にするのは時間の問題となり残るはインドという事になる。 台湾が戻ってくることがほぼ間違いのない段階になり、朝鮮半島も屈服させた今となっては日本に注力する下地ができてきた事になる。
  4. その際に中国が最も気になる米国も、今回中国の味方にまわった事から日本の孤立ははっきりしてきた。
  5. 今回は同じく中国を脅威に感じている南アジア諸国と同盟して中国に対する対抗勢力を形作る契機になる事件であったが、日本の無抵抗で無思考な屈服により南アジア諸国は日本抜きで中国対抗勢力圏を形成せざるを得ないと考えるようになろう。 世界から馬鹿にされた事よりも唯一残された同盟諸国の信用を失った事は極めて深刻である。
  6. 大企業経営者にも大局観を持つ人間は存在しないこと。
  7. メディアはそれ自身で何の意見も信念もなく幼稚な世論を形成する能力のみ保持している為、最も危険な存在であり続けていること。
 
■日本が持つべき大局観
(ア) 中国を信用してはいけない事。  (本来共産主義で一党独裁国家であることを忘れて自由主義国家の仲間であるなどと思っていたこと自体が物の本質を見ることができない日本人の真骨頂である。) 経済的に依存度を少なくしていくこと。  そのためには経済だけでなく軍事も含めた南アジア連合のリーダーになるべく行動する事。
(イ) 中国の軍事力に対抗できる軍事力を持つ事。  即座に非核三原則のうち、持ち込ませずを撤回し、米軍の日本国内基地に核を配備させること。  そうなれば米国兵は有事に簡単に撤収はできなくなるために米国が配備するかどうかで日本の為に戦う意思があるかを明確にできる。  その後、対米思いやり予算はゼロとするがその代わりに米国の核兵器を日本が購入することを提案する。  (米軍が日本から撤退しない限りは購入した核の取り扱いは米軍に委託することを条件にする。  もし米国がその提案を飲まなくても日本が核を独自に持つ意思があることを中国に示すことができる。  日本の明確な意図を知れば中国人は過去の亡霊におびえるであろう。  米国の核の傘が無くなれば最も危険な状態になる日本が核廃絶の音頭を取るなど茶番でしかない。)
(ウ) 過去より長く面々と続いてきた「意見を持たない文化」を消し去り「自身の意見をしっかり持ち、義務にもとづいた権利の概念を持つ人間を育てる教育に大きな予算を投入する。
(エ) 憲法は改正する。  1条から9条までは削除する、なんとなくの天皇制など必要ないし9条も必要ない、自衛権など自明のことで憲法に明記するまでもない。  紛争の解決に武力を用いないなどというのは相手の出方次第であって、一方的に宣言するのもあまりにも幼稚で非現実的である。  無抵抗で外国人に殺されたり犯されたりすることを選ぶのが日本国家であればそんな物は国ではない。  三権分立を担保するために必要な条文は全て変更し、議員内閣制という三権分立と矛盾する制度は新制度に変更する。
(オ) 科学分野でパイオニアとなる。  狭くなった地球の中での競争に汲々とせず、人類の次のステップのパイオニアとなるべく行動する。  宇宙である。  レアメタルなど中国に頭を下げる前に月での採掘権と実際の活動を真っ先に行う。  尖閣諸島で目くらましをしている間に月の領有権を主張する。  米国とロシアが宇宙開発に力を抜いている間がチャンスである。  しかしこれも早くしないと月に中国と米国の国旗が翻るであろう。

 
 大局観を持ち戦略的な行動がとれないとすれば日本(人)の運命は暗いものになるであろう。  覚悟のないものに未来はない。  自身の没落を説く評論家で幕を閉じることになる。

 

以 上
prev index next

コンタクト TOPヘもどる コラムTOPヘもどる
Copyright(C)1998 CMD Co., Ltd. ALL rights reserved.