CMDコンサルタント  金融業界専門キャリアサポート ENGLISH PAGE
HOME 求人情報 登録(エントリーフォーム) 求人インデックス(CMD求人指数) コラム(ネコティアス氏) セミナー(土曜午後の会) 人材最新情報(リンク集) 会社概要


ネコティアスの時事コラム

2008年10月23日

ネコティアス
市場と経済の混乱について今後の方向性を予測してみた
 

金融危機対策は出たが景気対策はまだ出ていない;米国政府などは特にウォール街の救済以外に興味がないとすると世界恐慌の恐れが拡大する。 GMに対して米政府が救済策を提示しない場合はこのことの証明と受け取られる可能性が高い。 またGMを救済しても中小企業・零細企業の救済策が出てこないといずれは同じ運命。 株価は適正値を探っている状況ではなく需給の均衡を待っている段階で潜在的かつ現実的な売りの金額は膨大 であると仮定しないと株の下げの背景は説明できない。


CDSの圧縮作業はすでに2回行われたとのことであるが、その結果は10%〜20%の範囲で数字からはその効果はほとんどないといえる。 またこの作業が行われたことがすでにCDSの残高が脅威であると米国が考えている証拠となる。 これが爆発するかどうかは現状ではただ祈ることしかできないように思われるが、 CDSに対して米国当局が明確な方法論と対策を世界に説明すれば金融市場での不安心理はなくなる と考えられる。 その意味では金融危機対策は出た=終わったとは言えない。


米国・EU・日本の国債に質への逃避が起きているということは後先を考えない世界的な中央銀行の資金供給のその後に来るインフレは、「まだ先」のことと考えられている証左であるが、いずれそこにも安住はできなくなる。


米国社会への不信感が各種対応に対する反応薄の主因。 ブッシュ政権8年間の欺瞞が世界の米国への信頼感を不信感へと変貌させた。グリーンスパン、ポールソンや金融機関経営者に対する不信感は早急にとり除く必要がある。その意味では次期大統領のスタッフィングは極めて重要なものとなる。 もし負け陰(マケイン)が政権を取れば米国は凋落期に入る可能性が高い。


現在起こっていることが、「金融機関の経営の健全化」であるとすると金融機関が資産の健全化と経営陣の健全化のめどを付けた後に実業への資金が回りだすとすれば回復の道筋が見えるような気がする迄には 相当の時間がかかる、最短で2年間 は必要となる。 また現在世界で起こっている金融のブラックホール化(巨大金融機関への集約)は多数のプレーヤーがそれぞれ独自にビジネスを展開する状況が消滅しているという意味では 世界的でかつ一方通行の市場の動きは今後も続く ことになると推測できる。 BRICSも同様の状態にあることもこれに拍車をかけている。


今後の景気回復のポイントは他国の消費に依存した輸出型ではありえず、国内需要喚起型になるしかない。 そして需要の中身は省エネルギー・環境回復・生活様式の改革などのしっかりした方向性のあるものでなくてはならない。


金融機関における現在の資金の流れは、
 「金融商品からの現金化」 ⇒  「投資先通貨から返済先通貨への転換」 ⇒  「国債への逃避」 ⇒  「資金のタンス預金化」=「クレジットリスクからの逃避」=「資金力のある企業・組織に対してのみの資金提供」=「資金の目詰り」=「企業投資の停滞」 ⇒  経済活動の世界的低落 ⇒  「成長率の鈍化あるいはマイナス」 ⇒  「クレジットリスクの高まり」 ⇒  「資金のタンス預金化」という悪循環に陥る可能性が高い。


高利回り追求型の投資資金は特定の商品のバブル化を目指すしか運用先がなくなるため、今後その商品を探すことになる。 農作物および食糧関連品・化石燃料の代替エネルギー・炭素排出権などが対象になるか、クレジットリスク巻き戻し型(クレジットポジション低減化)デリバティブ・環境不動産(好環境であるこが最も重視される不動産)投資・安全保障関連デリバティブなどを新たに開発するかということになろう。 やみくもな国家による資金提供が継続せざるをえないとすると将来のインフレの種はすでに蒔かれたわけで、インフレ耐性のあるものに投機資金は回るはず。


日本については、米国以上に株が売られる理由は経済では説明できず、「日本の統治能力の欠如」が外国からの投資家に失望感を与えてしまったこと「日本は米国のテリトリー」であることにより潜在的な実力を発揮できないと判断されているのが主因と考える。 そのため、日本人が官僚制度の再構築と政治参加に目覚めればおのずと経済で世界を引っ張ることも十分可能である。 経済の直接的な需要喚起においては、省エネルギー・環境回復・生活様式の改革などのしっかりした方向性のあるもので且一般国民向けの政策を政府が出してくるまでは、緩やかな没落の中の小さな振れしか起こらない。 しかし真のリーダーが出現しない場合は、断固とした意見を持てない国民性を考えると、期待されて出現する政策が単なる次の国家的バブル創造に終わってしまうリスクのほうが高いと考える。 次回衆議院選挙の自民党敗退と投票率の上昇があれば「政治参加意思」という意味で世界の日本を見る目が少し変わってくるため、株式市場には直接的な効果があると予想する。



以 上
prev index next

コンタクト TOPヘもどる コラムTOPヘもどる
Copyright(C)1998 CMD Co., Ltd. ALL rights reserved.