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ネコティアスの時事コラム

2009年09月17日

ネコティアス
マスコミの政権交代が必要
-第93代鳩山政権 閣僚記者会見を見て-
 

 2009年9月16日に第93代首相に鳩山由紀夫が選出され、その後深夜から閣僚の初の記者会見が行われた。 各閣僚の発言は見事に統一されており、マニュフェストの実行と官僚支配政治からの脱却、大企業ではなく国民に将来への希望を持たせる政策実行、米国の顔色を窺わずこれからの日本の方向性を表明するなど、意欲と自信を見せる近年まれにみるりっぱな会見であった。 裏を返せばいかに自民党政権が政権担当能力を持っていなかったかの証明であった。

 その反面、官僚組織とともに日本を二流国にしてきたマスコミの志の低さ・不勉強・権威主義などレベルの低さが露呈された会見でもあった。
 以下会見での純粋な疑問点を列挙する。

1.
会見の進行役(いわゆる報道にかかわる人間)の会見支配能力の欠如
  • 記者に対して、「質問の前に所属と名前を名乗ること」といいながら、それを行わない記者に対して自身が発表したルールを守るようにそくすこができない。
  • 同じ質問を複数の閣僚に対して行うことはしないようにと言いながら、「事務次官会議の中止は取材と知る権利への重大な侵害ではないか」という同じ質問をゆるしてしまう。


2.
NHK総合テレビ一チャンネルのみのテレビ中継
  • 戦後初の政権交代といいながら、その閣僚の初の記者会見を国民に見せたいとも思わず、自らが興味を持てないものは国民に見せる必要もないと考えているのであろうが、深夜のサッカー&ゴルフ放送と同じでマスコミがあおれば国民は興味をもつものであることを主義主張としているマスコミにあって国民に興味を持たせる必要がないと考えてしまう幼児性と自己欺瞞。
  • 知る権利はマスコミの視聴率を稼ぐためのものであって国民の利益にもとづくものでないということなのであろうか。 
  • これに先立つ首相指名の臨時国会中継もNHKがおざなりに流しただけであった。いったい国民から強制的に金を取って、大相撲や高校野球やメジャーリーグを国民に見せるという国家強制的有料テレビ局は、国会中継は大相撲やプロ野球やアニメに比べれば国民の知る権利にとって何ほどのことがあろうかと宣言しているようである。


3.
事務次官会議中止と事務次官の記者会見の禁止について複数の閣僚に繰り返し質問する意図は何であったのか? 純粋に知る権利について憂慮しているのであれば、「記者の独自取材を禁止するつもりはない」という回答で十分なはずである
 これに満足していない記者が何人も存在したことからすると真の理由は以下のようであろうか
  • 記者クラブ制度に慣れきって、独自の努力の仕方もわからない記者は、会見がなくなると取材ができなくなるのか。
  • 心の中では政治家は官僚に比べて馬鹿であるから、官僚のボスに聞かなければ記事が書けないと信じているのか。
  • 官僚にいい顔をしたい為と官僚に洗脳され、事務次官会議中止と事務次官の記者会見の禁止を取り下げさせたいと考えているのか。 ただしその理由が国民の知る権利の侵害だとは、マスコミのいう知る権利=マスコミ企業価値の増大であろうか。


4.
礼儀を失した記者の態度
  • 所属と名前を最初にはっきり言えない、社会性のなさ。
  • 会見の合間にレコーダーをこそこそと置いたり取ったりが仕事の大部分である幼児性。
  • 最初に「就任おめでとうございます」や「最後に期待しています」などのあいさつも言えない鼻もちならない態度。
  • ぞんざいな言葉に表れている敬いの気持ちのなさと、マスコミであることの選民意識。


5.
福島大臣が質問を受けると言った後に、誰も質問せず、沈黙の後やっと1,2のおざなりな質問があった点
  • 記者全員が同じニュースバリューのありそうな同じ質問を考えており、個別の政治・社会問題に対してかねてより勉強などしていないのか。


 以上からマスコミの持つ2つの大きな問題を見せつけられた。 すなはち、

(1)
マスコミ人の人間としてのレベルの低さ
(2)
刹那的な問題をいかに大衆受けする記事にできるかのみが仕事であり、長期的な視点での問題の掘り下げなどに思いも及ばない職業倫理感の欠如。

 大マスコミがインターネットのブログや書き込みを非難する際に、低俗性と信頼性の欠如を理由にしているが、それはそのまま自身の映絵である。 国民が低俗性と信頼性の欠如を前提にして情報源としているとすれば、インターネットの情報のほうが国民にとって健全であるは明白であり、同時に現在のマスコミは存在その物が危険である。 マスコミの世界での速やかな政権交代が必要である。 このようなマスコミであっても新政権が丁寧に対応しないといけないほど影響力は強大であるためだ。



以 上
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